心理コラム
自分の性格がわからないと感じるのはなぜ?自分を知るためのヒント
「私って、けっこう気を遣うタイプだと思う」
そう思っていたのに、友達から「意外と自分のペースを崩さないよね」と言われて、少し驚いた。
反対に、「私は人付き合いが苦手」と思っていたのに、久しぶりに会った友達からは「話しやすいから助かる」と言われた。
自分のことは自分がいちばん分かっているつもりでも、自分が思う姿と普段の行動がぴったり重なるとは限りません。
周りからの評価をそのまま正解にする必要もありません。
自分の中にあるイメージと普段の行動を見比べながら、「私は本当にいつもそうなのかな?」と確かめていくことが、自分を知る手がかりになります。
「私はこういう人」と決めると、見えなくなるものがある
「人見知りだから」 「飽きっぽい性格だから」 「恋愛すると重くなるから」
自分の性格を短い言葉で表すと分かりやすくなります。
ただ、その言葉だけで自分を説明していると、場面によって違う姿が見えにくくなることがあります。
たとえば、「私は人見知り」と思っている人でも、仲のいい友達といるときはよく話す。初対面でも、共通の趣味が見つかると自然に会話が続く。
そんな経験があるなら、
「私は人見知り」
というひと言より、
「大人数だと緊張しやすいけれど、少人数なら話しやすい」
としたほうが、自分の普段の姿を具体的に表せます。
性格をひと言で決めるより、どんな場面でその傾向が出やすいのかまで見ていく。すると、同じ「人見知り」でも自分なりの特徴が見えてきます。
「いつもこうなる」の中に例外はない?
「私は断れない」と思っている人でも、すべての頼みごとを引き受けているとは限りません。
誘いを断れた日がある。 頼まれごとに「今日は難しい」と伝えられた。 すぐに返信せず、少し考える時間を取れた。
こうした場面があるなら、「絶対に断れない」という説明では拾えない部分があります。
では、断れたときと断れなかったときには、どんな違いがあったのでしょう。
親しい人から頼まれたときだけ断りにくいのか。 相手が困っているように見えると引き受けてしまうのか。 急に頼まれると、考える前に「いいよ」と答えてしまうのか。
ここまで分けると、「断れない性格」という大きなくくりから、自分が断りにくくなる条件へと目を向けられます。
例外には、自分の傾向をもう少し細かく知るためのヒントがあります。
周りから見た自分は、もう一つの見え方
自分では気づかなかった一面を、友達や恋人から言われることがあります。
「意外と心配性だよね」 「好きなことになると、すごく積極的だよね」 「嫌なことがあっても、その場ではあまり言わないよね」
「私ってそうなの?」と気になる言葉もあるでしょう。
そこで一人の評価だけを使って、自分の性格を決める必要はありません。その人と一緒にいるときだけ出やすい一面だったり、たまたま一度見た行動から受けた印象だったりすることもあるからです。
気になる言葉があったら、
「そう見えたのって、どんなとき?」
と聞いてみると、話は少し具体的になります。
たとえば「心配性だよね」だけでは分からなくても、「旅行の前になると何度も持ち物を確認しているよね」と言われれば、自分にも思い当たるところがあるか確認できます。
周りの言葉を正解にするのでも、すぐ否定するのでもなく、自分だけでは見えなかった一面を知る材料の一つとして置いてみる。そのくらいの距離感なら、自分を見る角度を増やしやすくなります。
一日の終わりに「今日したこと」を一つだけ見る
自分について考えていると、
「もっと積極的になりたい」 「私は考えすぎる」 「最近ちゃんとできていない」
と、いつの間にか自分への評価ばかり増えてしまうことがあります。
そんな日は、一日の終わりに「今日したこと」を一つだけ拾ってみます。
気になっていた人に自分から連絡した。
言いたかったことを飲み込んだ。
疲れていたので誘いを断った。
失敗したあと、もう一度やり直した。
その場ですぐに「良かった」「ダメだった」と結論を出さなくても構いません。
何日か続けていると、「思っていたより自分から動いている」「嫌なことを我慢する場面が多い」「失敗することより、その後に長く引きずりやすい」といったパターンが見えることがあります。
自分につけていた性格のラベルより、繰り返している行動のほうが具体的です。
そこから「どんなときにこうなるんだろう」と考えていけば、変えたいところも、すでにできていることも探しやすくなります。
場所が変われば、見えてくる自分も変わる
友達の前ではよく話すのに、職場では静か。
恋人には甘えられるのに、家族には弱音を見せない。
普段は慎重なのに、好きなことには迷わず飛び込める。
一見すると矛盾しているようですが、どれも同じ人の中で起こり得ることです。
だから「本当の私はどれ?」と一つに絞ろうとすると、かえって自分を説明しにくくなることがあります。
誰といるときに、どんな自分が出やすいのか。
苦手な場面ではどうなるのか。
安心できる相手の前では何が変わるのか。
そして、場所や相手が変わっても繰り返している行動はあるのか。
こうして見ていくと、「私はこういう人」というひと言では見えなかった違いが少しずつ出てきます。
自分を客観視するために、自分へ厳しい点数をつける必要はありません。
昨日まで「自分らしさ」だと思っていたものも、よく見れば特定の場面だけで出ていた一面かもしれない。反対に、自分では気づいていなかった行動が何度も繰り返されていることもあります。
「私はこういう人」と決める前に、「どんなときの私は、どうしている?」まで見てみる。
その積み重ねが、自分についての解像度を少しずつ上げてくれます。
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